本研究室「学習デザイン論研究室(Laboratory for Learning Design: L2D)」は、2026年4月より、九州大学大学院人間環境学研究院で立ち上がった新たな研究室です。2026年度より募集を開始し、2027年4月より受入を開始します。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
生成AIの登場や急速な社会変動により、大学での学びのかたちは大きく揺れ動いています。かつて一部の知的エリートだけの場だった大学は、進学率50%を超えるユニバーサル段階へと移行し、さまざまな背景を持つ人々が集う「多様な学びの交差点」となりました。そこで、本研究室では、こうした時代のうねりの中で、「大学の学びのデザイン」を主な研究対象とし、これからの大学での学びのデザインについて未来志向的に考えていきます。大学教育は、以下の表のように、初等・中等教育とは構造的に大きく異なります。特に、学習者の多様性、学びの自律性、そして社会との接続性に特徴があり、私自身は、大学教育のデザインを学術的に探究することが、今後の日本、ひいては世界にとって非常に重要と考えています。日本の未来を、大学教育という視点から考えたい方。ぜひ、本研究室にお越しください!
| 観点 | 大学教育 | 初等・中等教育 |
|---|---|---|
| 教育目的 | 専門的知識・批判的思考力・研究能力・探究力の育成。将来の職業・社会貢献・自律的学びの基盤形成を重視。 | 基礎的な知識・技能・態度の習得。社会生活の基盤形成・人格形成を重視。 |
| カリキュラムの柔軟性 | 高い柔軟性。履修科目や進路を自ら選択できる。専攻・副専攻・留学・長期インターンなど多様な経路が可能。 | 国家基準(学習指導要領)に基づく共通カリキュラム。柔軟性は低く、個人の選択範囲は限定的。 |
| 学習者の役割 | 自律的・能動的学習者としての役割が期待される。自分で目標を設定し、自己調整しながら学ぶ。 | 教員の指導に従い、基礎を身につける受動的な学びが中心。自律性の育成は段階的。 |
| クラス編成 | 多様な年齢・国籍・専門分野の学生が同じ授業に参加。固定クラスは少なく、授業ごとにクラスメイトが変わる。 | ほぼ同年齢・同国籍(日本人)の児童・生徒でクラスを固定。年間を通じて同じ学級で生活・学習する。 |
| 社会的役割 | 専門職・研究者・市民として社会に参画する準備段階。社会的ネットワーク形成の場でもある。 | 社会生活の基本を身につける段階。協調性・規範意識の基礎を育む。 |
| 対象集団の特徴 | 多様な年齢(18歳以上〜社会人含む)・国籍・背景をもつ学生が混在。留学生・社会人学生・再入学者などもいる。 | 基本的に同年齢の児童・生徒で構成され、日本人が多数。文化的背景も比較的均質。 |
現代社会では、大学に対する社会的な期待が急速に高まっています。特に、急速な技術革新、国際的な競争の高まり等の中で、大学は以下のような役割を果たすことが求められています。
一方で、こうした社会の変化に十分に対応しきれていない現状もあります。そのため、「これからの大学で、どのような学びをデザインすべきか」という未来志向的な問いは、教育・学習研究における重要な研究課題となっています。こうした変化に応えるために、本研究室では5つの柱を設定し、現場と結びついた実証的・理論的研究を展開します。そして、それらの研究成果に関しては、特に国際ジャーナルへの掲載を積極的に目指します。